……ああ、毎日が忌々しい。






*Improper love







「明留くん、いらっしゃい。上がって?」
「ああ、お邪魔しまーすっ。」

お姉ちゃんの声に、ボクは上がってきた人物を睨みつけるように見た。
(……あの、男。)

ボクからお姉ちゃん……お姉ちゃんを奪った男。
男――……明留(あける)はボクに気づくと、軽く手を振った。
その男に、ボクもまた笑顔で手を振り返した。
…本当は、お姉ちゃんを奪ったその男に鉄槌を下したいくらいなんだけど。
ボクは『お姉ちゃんと彼氏の恋路を応援する健気な弟』になる、って決めたから。



「よっす光莉!元気か?」
「うん、明留お兄ちゃん!!ボクはいつでも元気だよっ♪」
「ふふ、二人とも仲良いね〜。」
「あったりまえ♪光莉は将来俺の弟になる男だからな!」
ムカつく程の笑顔を浮かべながらボクを抱きしめる明留を見て、ボクは
心の中で嘲笑した。……言ってろ、ばーか。って。
だけど、ボクは。






「あーボクも明留お兄ちゃんが本当のお兄ちゃんになったら毎日楽しいだろうなぁ♪」
「だろだろー!?」
「や、やだー二人とも。何変な事話してるのよー…!」
「俺との未来の事♪」
にっこり笑う明留に、お姉ちゃんは「もーう!!」と頬を赤らめて怒り出した。
だけど、そんなお姉ちゃんを見て、胸が苦しくなった。

ボクに向ける笑顔とは、違った、から。
ボクと話している時の笑顔とは違い、
本当に、幸せそうな笑顔をする。






――…だから、ボクは。
今日もまた、『健気な弟』を演じるんだ。





「それでさぁ。明日なんだけど…。」
「え…明日?どうかした?」
「あ、あのさー……映画、行かない?」
お姉ちゃんが明留に向ける、目に、言葉に、それより何より、お姉ちゃんを奪った男に、
「うんっ、平気だよ。」
「よ、よかったー!と一緒に見たい映画があってさ。
実はチケットもう買っちゃったんだよねー。」


ボクは、全てに嫉妬の感情を抱いている。




だけど……、ボクが好きなのは、
ボクが何よりも祈っているのは、お姉ちゃんの幸せ。
「あーあ二人とも家の中だからってラブラブしちゃってー!
もうっ。ボク邪魔にならないよう部屋行ってるから、あとはごゆっくりねぇ♪」
「あ、ちょ……光莉ぃっ!!そんなんじゃないってばぁ!!」
「ふふー♪隠しても駄目なの、お姉ちゃん。本当は頭の中明留お兄ちゃんしかいないく・せ・に。」
耳元でボソリと呟くと、途端にお姉ちゃんは真っ赤になっていった。
クス、と笑うとボクは部屋へ向かう。
本当は凄く…辛かったから。好きな女の人が、他の男と話しているのが。



部屋に戻ると、ベッドの中にもぐりこむ。
出てくるのは、お姉ちゃんの幸せそうな顔と、声と、頬を伝う涙ばかり。
分かっては、いる。
この感情が醜い『恋心』だとして、ボクとお姉ちゃんは姉弟。
結ばれちゃいけない関係だとは、分かっている。
(――……でも…。)

嗚呼、神様。
お姉ちゃんを好きでいることは、罪ですか?
お姉ちゃんを想うのすら、いけませんか?




べりべりに破いたチケットに、思いを馳せた。


+あとがき
どうもこんにちは!里村りんです。
当サイトもあっと言うまに一周年です……!
と言う事でリクエストもきたし、お祝いも兼ねて夢小説なるものに挑戦してみました。
オリジでドリームは初の試みです♪(笑)が……ゆ、夢じゃないですね(痛
当初は光莉がお姉ちゃんを明留から奪っちゃって終わり。みたいなのだったんですが、
それだと里村の妄想脳でプロットを組むと必然的にアダルティックになってしまう
ので(腐)このような話に落ち着きました。ショタな弟少年の片思い…!
元気っ子に見せかけて実はお姉ちゃんに心酔していて恋心の暴走ゆえ
腹黒くなるショタ子が書きたかったので……!!
ご、ごめんねハルちゃん……!これ夢じゃないYO……!!(爆
ちなみに名前変換をしないと必然的に『りん』になります故注意です(痛
だって名前が思いかばなかったんですもの……!;

で、ではでは、へたれな夢じゃない夢どうもすみませんでした…!
これからもDreamtravelerを宜しくお願いしますね♪