| 「ねぇルスコ様!私にもっとこの世界の事を教えて?」 「あはは、勿論だよ♪」 「………ちょっと待て。」 あはは、ふふふ、と少女漫画のように笑いあう二人を見て、勇者エクスは己の怒りを必死に抑えようとした。 が、その怒りは既に頂点に達しており…。 「何故こいつが城に居るんだぁぁぁぁあああ!!!」 #05,プチ家出が終わる頃 「いけないかい?でも僕は国王にも許可された身だよ?」 「な、なんだってっ!?」 何考えてるんだよ国王は――!!とエクスは頭を抱え叫ぶ。 …城に帰ってきたティアを見た国王はそれはそれは湖が出来てしまう程大量の涙と鼻水を流した。 ティア〜〜!と叫んで抱きしめようとしたが「やめてっ!恥ずかしいっ!」と、 思いっきり拒否られてしまったエルデスティラ国王52歳である。 それで何故ルスコが城に居るのか。身分上魔王なのなら国王は許さない筈では? …そういう質問は愚問である。何たって親ばかなのだから。 ティアがカナンとセリシアを連れて帰ってきた時は安心した。二人とも国王とは 顔見知りであり、この二人にならティアを任せられると信用しているのだから。 しかし…一度も見たことも話したこともない男…エクスとルスコまで連れてきた時には絶句した物だ。 まさかティアは見知らぬ男に誑かされてるんじゃ…と。 それでもティアが『私の友達と王子様なのっ♪』…なーんて微笑んだ途端、嫌でもにやけてしまう国王様。 ティアの笑顔に一番弱い方は実は国王だったりもする…。 そんなこんなでティアの『おねだり攻撃』により、国王ルスコと『魔王としての行いをしない事』だけを契約すると 城に置いてもらう事となった訳だ。 伝説の魔王の血族であるルスコは最初、女官や王宮魔術士などに恐れられていたが、 その『美少年』と言う言葉を連想させるような顔立ちと見とれてしまうような笑顔にノックダウンし――……。 …何故かすっかり、城内ではモテモテになってしまった、と言う…。 「ティア様ーーっ!!!」 「ん??カナン?」 遠くから聞こえる青年の声にティアは振り返った。 そこには…国王に負けず劣らず滝の涙を流す従者…もとい、カナンが。 「ど、どうしたのよカナン!?」 「ティア様……あんまりです…。私に内緒でこんな事……!」 「こんな事?――ああ……。」 明らかにルスコの方を見ながら言っているのを見るとティアはルスコの事だと判明する。 カナンが居ると話がややこしい事になると思い、カナンの居ない隙を狙って国王に交渉したのだから。 「大体ですねっ、国王陛下と契約したとは言え――もしまた襲ってきたらどうするんですか!? その時はティア様のお身体だって危ないんですよう!?今からでも遅くありませんっ、考え直してください!!」 「そーだそーだっ!」 「わっ!セリシアまで!?教会は?」 「……お前が心配だからサボってきた。」 「え??」 「とにかく考え直せっ!!絶対そんな男と付き合ってもすぐ別れちまうだけだっ!!」 「な、ななっ、何ですって!?私の王子様と私の恋路を侮辱したわねっ!?」 セリシアの言葉にキレるティア。勿論セリシアがティアを心配してる事なんて全く気づいちゃいない。 教会から一生懸命抜け出してきたのに……相変わらず薄幸の美少年である。 エクスは相変わらず頭を抱えており、ティアとセリシアは口喧嘩を繰り広げている中、 そんな一同をにこにこしながら見守るルスコに、カナンが真剣な顔でこっそり声を掛けた。 「…ルスコさんっ、今だから聞いておきます!貴方はティア様の事が本気なのですか!?」 「何が?」 「何がとは何ですか!!私はやはり貴方のような方にティア様をお任せできません!!」 「そうかな??」 「私はまだ貴方を信頼した訳ではないのですっ!それに…それに私なんかどうです!? 小さい頃ティア様と一緒にお風呂に入った事だってあるんですよ!!」 はははっ!!これが証拠写真だ!!と、カナンはどこからともなく幼稚園児くらいの少年少女が仲良く 水鉄砲で遊んでいる写真を取り出した。と、言うか…いつ撮ったんだそんな写真。 ルスコは「ふ〜〜ん??」と、カナンをまじまじと見つめると…にっこりと微笑んだ。 「そうか…皆ティアが好きなんだね。」 「当たり前でしょう!ティア様は我々のあいどるなのですからっ!」 「じゃあ…僕も本気出そうかな。」 「………え??」 にっこりと微笑んだままのルスコを見て、『最恐』の称号まで付いているあのカナンが一瞬硬直した。 あの、今一体何を??何に本気を出す、と?? 「ティア、結構可愛いし。顔コロコロ変わって面白いし。」 「………。」 嫌な予感、パート1。 「それに顔も性格も結構僕好みだったりするんだよね。最初はそんなに好きって訳でもなかったんだけど」 「…………。」 …嫌な予感、パート2。 「生憎ティアは僕に気があるみたいだし?もっとティアとイチャイチャして君達の慌てようをじっくり鑑賞したいし♪」 「なっ……!!!」 ここまで来たらもう、奴の狙いはばっちり分かる。 つまり…自分達をからかって遊ぶつもりだ!! 「な、ななななぁっ…!!!たったそれだけの理由でティア様をたぶらかす気ですね!?」 「たぶらかすだなんて人聞きの悪い。僕だってティアが好きだもん。」 「く…!!新参者の分際でッ……!!!」 「あッ…ティア〜……!カナンさんがぁ、イジメるぅ〜〜!」 「え。」「何ですって!?」 見事にカナンとティアの声が重なる。嫌な予感がし冷や汗を流しながらカナン、愛しの(?)ルスコ様の 声を聞きつけとっさに振り返るティア。 そして…心の中でニヤリと唇を吊り上げるお遊び魔王。 「カナンっ、一体どーゆー事!?私の王子様に手ぇ出すなんて許せないっ!!」 「待ってくださいティア様!!今のは絶っ対イジメなんですぅ!!あっちが…!!」 「まぁ!!私の王子様に濡れ衣を着させるつもりっ!?大減給の上にボーナスカットよっ!!」 ―――ガァァァァン!!!! 愛しのティア様(Byカナン)にすっかり疑われてしまう上に大減給+ボーナスカットの2コンボには 流石のカナンもノックアウト!!バタリ、とその場に倒れると戦闘不能状態になってしまった。 そんなカナンはお構いなし、といった様子でルスコは微笑む。 「ティア、中庭で一緒に話さない?さっきティアが僕に話を聞きたがっていたよね?」 「うんっ!!この世界の事やルスコ様の事も知りたいし…行きましょ♪」 戦闘不能状態のカナンと、未だ苦悩しているエクス、それから成り行きを見守っていたセリシアなんて 視界にさえ入らないのか、ティアとルスコは仲良く肩を並べるとすたこらせっせ、とその場を後にした。 二人が居なくなった、男三人の哀しい部屋に何処からとも無く北風が…。 そして男三人はさっきのルスコのなんとも計画的な笑顔を思い出すと、 『とんでもない奴が敵になったな…』と、つくづく思うのだった。 …頑張れティア様FCメンバーズ!!きっと明日があるさ!! そんな慰めの言葉を掛けたい所だがこのお話、実は今回で終了だったりする。 「…ちょっと待て。」 「き、聞いてねーぞぉ!?」 いえ、第四話のあとがきでしっかり予告していた筈。もう最終回です。 「あ、あの、待ってくださいっ……私はまだティア様を諦めた訳じゃ……!!」 「大体この終わり方が納得いかん。俺の出番を……!!」 無理です。もう終わりと言ったら終わりです。 「お、オレなんかっ…結局最後の最後までティアに肝心な台詞聞いてもらってないっ…!!」 アピールできている場面があるだけ良いではないですか。そんな台詞を言っている私の隣でエクスが「俺なんか…。」と呟いていますね…。 まぁ、そんな訳で今回の旅路はこれにて終了。 「まっ、待て!!」 待ちません。 「あ、ちょっ…!!ティア様ぁ〜〜〜!!!」 ――ブツン。 男どもが喚いているので強制終了させてしまいましたが…。 さっきも言った通り今回のお話はこれにて一件落着です。 …え?結局ティアは誰と結ばれたのか、って? ………。 続きは貴女の心の中で♪ 「「「こんな終わり方納得いかな―――いっ!!!!」」」 Fin..? +あとがき+ 最後までギャグでごめんなさい。(゜д(#○===(゜д゜*)O 何だか微妙な終わり方ですが…個人的に気に入ってしまったので、第二部も考えていたりします…。(待 その時にはエクスにも出番を与えてあげたい所です(笑)でも今回のプチ家出はここで終了、と言う事ですっ! こんな邪道ファンタジーを読んで下さった皆様、本当に有難う御座います!少しでも読者様が居てくだされば、 書いた甲斐があると言う物です……;;そして最後までヘンな文章ですみませんでした; 最後に……本当にルスコ×ティアって訳ではないんですよ!(何 あくまでこれはお相手とか関係なしに、『ヒロイン総受け』なギャグ物ですので…ただティアが一目惚れしちゃった、と言う事で 今の所ルスコがリードしてるってだけなんです(笑)感想や意見、出張ってほしいキャラやCP…。(何) 等などがありましたらどうぞお気軽に言ってやってください。第二部を書く際に意識して書いてみようと思いますv それではここまで読んでくださって有難う御座いました♪ |
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