| *Side-Ibuki&Sibuki 白端息吹 気がつけば。 「――はぁ……はぁ………いぶき…ぃ………。」 涙を流しながら、彼は横たわってた。 彼を傷つけたのは、僕。 それは、紛れも無い真実だった。 ……そう言えば僕も疲れた。 飛沫の隣に倒れこむと、僕は目を瞑った。 もう、夜だ。 眠くて疲れてるのもあるんだろう。 だったら、このまま飛沫と一緒に寝てしまおう。 ……そう思って、僕は眠りにつく。 ――もう何回も、すれ違っただろう。 本当は、僕も分かってる。 ……飛沫は、狂っていく僕を怖がっていた。 あの時僕の手を払いのけたのは、僕を拒絶したからじゃない。 ずっと、僕を想ってくれていたことも、分かってるつもりだ。 でも――僕は…僕の気持ちだけで必死だったから、彼の気持ちを考える余裕なんて、なかった。 事故に遭って、盲目になったのも彼が望むことではない。きっと、悲しんでしまうともって分かっていた。 だけど――僕は……。 「ん……。」 不意に人の気配がして、目が覚めた。 目を開けても、まぁ見えないから意味がないんだけれど。…きっと、飛沫だ。 「飛沫…?」 起きたのだろうか?そう思って聞き返す。 ――……謝ろう。 今まで、過ちを何回も繰り返してきたことを。 ……決して、償えるものなんかじゃない、けれど。 「………?」 飛沫の返事は無い。けれど……代わりにひんやりとした感触が肌に触れる。 「――…ごめん、な…息吹…。」 「…飛沫……。」 聞こえてきたのは、飛沫の謝罪の言葉。 違う、違うよ飛沫。謝るのは、僕の方なのになんで謝るの? 「俺達……すれ違いすぎた。」 うん、それは分かっている。 だから…僕は謝ろうと。これからは本当に支え合っていこう、と。 そう思っていたのに……飛沫は違うの? 「だから、ごめん。」 涙ぐんだような、飛沫の声と共に、嫌な…肉の裂かれる音が響いた。 ああ、そうか。 このひんやりとした感触は……僕の日本刀だったのか。なんて、ノンキにも思った。 あまりの痛みに叫び声が出そうだったけれど、僕には叫び声を上げる気力すらなかった。 飛沫は日本刀を引き抜いた。…血が吹き出る。そして、再び肉の裂かれる嫌な音が響いた。 「…し……ぶき……?」 「い…ぶき……ごめん……ほんと……ごめん…な……。」 不思議に思って必死に声をあげ聞き返すと、飛沫は力なく囁いた。 僕の顔に降りかかる生暖かい『何か』。…そして…飛沫は僕の身体に覆いかぶさるように倒れこんだ。 ――僕が死ぬのは構わない。それで、君に償えるのなら、幾らだって傷つけていいよ。 だけど……どうして……君まで? 「こ……れでっ……。」 「――……。」 ああ、段々意識がなくなってきた。 目を開けても君の顔見れないけれど、でも…君が泣きながら…血にまみれた手で僕を抱きしめている事はわかった。 「俺達……いっしょだよ……。」 「…しぶき……。」 「もう……ずっとすれちがわない――………。」 涙を流しながら、でも何処か嬉しそうに飛沫が呟く。 それからの言葉はもう聞こえない。僕も、息吹も、もう意識はなかったから。 ――何度も間違いを繰り返して、その果てがこの死なら。 ………ああ。ようやく、君と等しい痛みを味わえたよ…飛沫………。 |
| あとがき 最後の最後まですれ違ったまま心中、と言う形で死んでしまった障害ペア。それが彼らにとって最善の結末だったかどうかは分かりません…。 彼らの救われる結末はゲームをお楽しみに……。(待 Back Next |