| *Side-Hatori&Midori 綾瀬美鳥 「殺す……。」 僕は。 「殺してやる……殺してやる……。」 獲物を、探して。 「琶鳥の……仇……。」 ただ歩いていた。 もう僕はどこか可笑しくなってしまっているのだろうか。 そういえば、ずうっとそんな言葉を呟いているような気がする。 これだけボソボソ呟いていれば、誰か他の参加者に見つかる可能性もあると言うのに。 ――ああ、上等じゃないか。 僕の中で、違う声が聞こえる。 僕であって、僕じゃない……悪魔のような冷酷な声。 琶鳥と言う存在を亡くしてから、僕の頭の中ではずうっとそんな声が聞こえる。 ――他の参加者に見つかったら?あははっ、好都合じゃないか。その場で殺せるんだもん。 そう言うと口元だけ笑った。 笑って、笑って、笑い続けた。 「あはははははははっ………。」 そうだよ。 殺して、殺して、殺してやる。 死んでもなお、殺し続けてあげる。 どんな残酷な殺し方をしてやろう。 どんな風に殺したら琶鳥の苦しみを嫌なくらい味わうだろうか。 銃で穴だらけにしてやろうか。それともナイフでバラバラにしてやろうか。 考えるだけでゾクゾクする。参加者との邂逅が待ち遠しくて仕方ない。 『俺は……もう美鳥が傷つく姿を見たくはない、から…。』 ――不意に頭によぎる、彼の姿。 嗚呼、 『美鳥を……護れなかった……から……っ』 本当に僕が求めているのは 『最期の最期で……美鳥を……まもれた……。』 こんなことじゃないのに 「は……とりぃ……。」 不意に涙が頬を伝った。 笑いは、いつしか消えていた。 ――…ねぇ、神様。 (何で僕は、彼と8年も離れていたんだろう。) 血の繋がる兄弟の筈なのに。 (何で僕は、素直になれずにいたんだろう。) 本当は、大好きで大好きで、やっとめぐり会えたから、ちゃんと話がしたかったのに。 (何で琶鳥は、死んでしまったんだろう。) なんの罪もない、琶鳥が。 (何で、僕は一人になってしまったんだろう。) そこまで考えた所で僕は座り込んで、涙を流しながら琶鳥の名前を馬鹿みたいに叫んだ。 叫んで、叫んで、終いには喉が血の味までしてきた。 (馬鹿みたいだ、僕。) どれだけ叫んでも。 どれだけ思っても。 琶鳥が還ってくるわけ、ないのに。 「琶鳥っ……琶鳥っ……琶鳥ぃぃぃ――ッ!!!」 叫びながら天を仰ぐ。 あの時みたいな不器用だけど優しい声は返って来ない。 ――ネェ、サビシイヨ。 ネェ、ヘンジヲシテヨ。 ハトリ、ハトリ、ハトリ――。 |
| あとがき 美鳥も段々おかしくなっていきます。そりゃあそうですよね。ただでさえ小学生。 感情のコントロールの難しい年齢で、多々の後悔を残したまま大事な人を失ってしまえばおかしくなるかもしれません……。 Back Next |