| *Side-Ibuki&Sibuki 白端飛沫 「息吹…痛くない?」 「うん、大丈夫大丈夫、だよ。」 運良くも、俺の支給武器は医療セットだった。 ……はっきり言って武器なんかじゃない。 多分、支給武器の中には俺みたいに、外れの武器も混ざってるんだろう。 息吹の手当てしながら痛くないか確認すると、息吹は笑った。 ……が。 「あうぅっ!!」 「わっ!?息吹??」 「い、いたいよ飛沫。もっと優しく手当てしてよぉ…。」 「え、マジ!?痛かった??」 「……うん…。」 涙をうっすらと浮かべながら子供のように息吹は呟いた。 痛いのが嫌いな息吹は時折、今みたいに妙に子供っぽくなる。 そんな息吹が可笑しくて、思わず笑みが漏れる。 本人の前で爆笑したら息吹が傷つくので、こっそりと。 「ご、ごめん……。」 「うん、大丈夫だよ。僕こそ、ごめん。折角治療してくれてるのに文句言っちゃって。」 兄の傷は、思った以上に深かった。 制服越しならあまり目立たなかったのだが、実際上半身裸になって 手当てしてみるとナイフで刺された傷が嫌でも目立ち、 正直、目を背けたくなった。 ナイフで一回攻撃しただけで、こうにまでなるものなのか。 それとも……。 (本当に…息吹を殺すつもりだったのか……。) そう思うと、恐怖心が強くなってきた。 俺が…もしあの時息吹を見つけられなかったら。 「っ………。」 思わずギュッと目を堅く瞑った。 それよりも……。 (もっと…俺が早く息吹を見つけられてたら……。) こんな傷、生まれずに済んだのに。 「……飛沫?」 「…っ…ごめん…ね……息吹…。」 「え……?」 「俺の…せいで……こんな傷……。」 多分、息吹のこの傷跡は一生消えないだろう。 それほど、深かった。 それだけが、悔しかった。 その傷の深さだけ、俺の非力さを表しているようで。 ……もっと、足が自由に動かせれば、 ――…もっと早く、息吹を救えたのかもしれないのに。 「飛沫って…たまにお馬鹿になるよね。」 「っ、馬鹿言うな馬鹿ぁっ!!」 「だって……さっき飛沫言ってたじゃない。」 そう言うと、息吹はにこ、と笑った。 「またあの時みたいに、二人で助け合って行けば良いじゃないか、って。」 「………いぶ、き…。」 「この傷跡はね、僕たちの誓い…僕たちの絆、だよ。」 「…?」 「僕が独りだったから、この傷ができたんだもの。 これからは…二人で助け合っていこうよ。そうすれば、二人とも傷つくことない。」 「……息吹…。」 笑顔のままでそう続ける息吹に、涙が溢れてきた。 あまりにも、その言葉が俺には優しすぎたから。 「僕…目が見えないけどこれでも心眼が使えるから。ちょっとだけね。」 えへへ、と笑い、子供みたいな事を言う息吹に、俺もまた笑みが漏れた。 「それに、僕の支給武器…日本刀みたい。」 「え…!わ、ほんとだ。」 「目は見えないけど、飛沫がサポートしてくれたら僕は戦えるよ。」 「……うん、そうだな。」 「それにさ、飛沫の武器……じゃないけど。飛沫の支給されたのは救急箱でしょ? 二人が負傷したら、これで回復!だよ♪」 「…あははっ。俺ら、最強ペアだな。」 「うんっ」 そう言うと、俺と息吹は笑いあった。 (……ありがとな、息吹。) 心の中で、力いっぱい感謝した。 息吹がいてくれたから、ちょっとだけ……希望、見えてきたんだ。 |
| あとがき 障害ペアのひととき。 この二人は色々障害を持っていますが、実際戦闘では弱くは無いです。 コンビネーションは全双子中最強。目の見えない日本刀使いの息吹を、飛沫が正確にサポートする感じで。 Back Next |