*Side-Kika&Tika
二条千華



「そういえば千華。」
「なーに??」
あれから、暫くが経った。
だけどまだ一度も、ゲームの参加者には会ってない。
そう考えると、ちょっと僕らラッキーかも。
そんな事を考えてると大好きな人の声が聞こえて僕は振り返った。
「お前の武器は?」
「………あー。」
今一番、聞かれたくない事を聞かれて僕は詰まった。
そんな僕の不機嫌な声に気づいてないのか、稀華は「俺のはこれだけど。」と言って
なんだか普通めの銃…いわゆる、ショットガンって言うのかな。映画とかでしか見た事ないけど。
「で、お前のは?」
なんだか期待を込められた目を向けられる。
そ、そんな目で僕を見ないで……っ
「え……えーっとね…。」
それでもそろそろ誤魔化しきれないだろうなぁ、と思い
「こ…これなのっ!」
「………、」
思い切って、『それ』を稀華に見せびらかす。
…『それ』とは…僕の支給武器……である筈の物。
ただ、それが武器なのかどうかは分からない……否、武器なんかじゃない。明らかに。
「……………けん玉?」
「……あ、はは……こんなんで戦える訳ないのにね…。」
言って、ため息を吐く。
けん玉が武器なんて……遊ぶことしかできないじゃないか。
稀華の視線がなんとなく痛かったので、誤魔化すように試しに手に取り遊んでみる。
「えいっ!!……っとと、わわっ!?」


ごんっ。



「い、いたー!!!??」
「っく………ははははっ」
「わ、笑うなー!!!」
「あーおかしっ……。お前けん玉下手すぎ。」
「うがーっ!!!」
愉快そうに笑い出す稀華を見て、思わず大声が漏れる。
けん玉なんて、久しぶりにやるんだもん。
だから、しょうがないじゃないか、下手だってさ。
それが例え、顔面にぶつかろうとも。
「あはははっ……フツー顔にあたんねーって………っ」
「む、むかぁっ!!稀華はどーなのさ!絶対できるわけないのに!!」
「ん、貸してみろ。」
僕の言葉に稀華は僕からけん玉を取った。
ふふふん、どうせ失敗するに決まってるさっ。稀華だって大分けん玉やってないんだから。
そう、思っていたのに。
「よ、っと。」
「……ええー!何で稀華はちゃんと入るのー!!?」
「千華が下手なんだよ。ほら。」
そう言うと稀華はまた見せびらかすようにけん玉で遊ぶ。
うぐ…ムカつく事に、またちゃんと入ってる!
「ほらな。普通、できるだろ?」
「できないよっ!!できる方がおかしいの!!」
悔しくて思わず口答えする。
……が、その後に気づいた。
「違う違うっ!こんな馬鹿やってるんじゃなくてっ!!」
「今更気づいたか。」
「どうしよ…僕こんなんじゃ戦えないよぉ……。」
イコール、誰かに殺されちゃう。
そんな考えが脳に浮かび、思わず涙が浮かんだ。
すると稀華が呆れたようにため息を吐く。
「大丈夫だ、運良く俺のほうはショットガンあるし、これだけで十分だ。」
「…でも、嫌だよ…僕、稀華のお荷物になるの。」
「…荷物だとか…足手まといだとか……そんな事言うな。」
「……?」
いつもよりトーンの低い、稀華の声。
ふと顔を見ると、稀華の顔はいつもより凄く真剣な表情で。
「お前は俺のお荷物なんかじゃない。兄貴だ。」
「………う、ん…。」
「千華はこんな武器で戦えないかもしれないけど…俺の傍から離れるな。それだけでいい。」
そう言うと、稀華は僕の身体を優しく抱きすくめた。
こんな状況だからか、いつもより稀華が優しく思えて、気がつけば笑っていた。

あとがき
相変わらず馬鹿やってる主人公組です(殴
このまま誰とも接触せず、知らない間に勝ってたってオチだったら嫌だなぁ。(爆笑)そんな展開ないと思いますが。



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