| *Side-Misato&Tisato 柊深聡 『100番目。』 『――はい。』 名前を呼ばれる。 それは、僕の本当の名前かもしれない。…名前じゃないかもしれない。 それでも、僕は元々こう呼ばれている。 『そろそろ終わらせろ。』 『………、』 上の方――上司って言うのかな?人間の間では。 そんな死神の一番上の人から呼び出され、何かと耳を傾ける。 すると、――…やっぱり。 用件は、それだけだった。 終わらせろ。 それは、つまりこのゲームの事。 『もう100代にもなるこのデスゲームにもそろそろ飽きてきた。そろそろ終焉の頃合だろう。』 『…わかりました。』 深々と頭を下げる僕を見て、上の方はニヒルに笑う。 『ああ……最後のゲーム。精々ハデに終わらせてくれ。』 『……?』 『泣き、叫び、狂い、殺し、殺され、そして死ぬ。』 『……。』 『俺が望むのは『絶望』。お前のパートナーと同じ望みだ。』 そう言うと、僕を冷酷な瞳で睨み付けた。 『だから――情は沸くなよ。柊智聡も殺させろ。奴の望む『絶望』と言う形式でな。』 そして、酷く愉しげに笑う。 その言葉……その命令に、僕はただ従うだけ。 『わかりました。』 それが、僕の存在意義だから。 「君のほんとうの望みは、なんだったのかな。」 「………っ…!?」 僕の言葉に、智聡くんは驚いたような顔をした。 本当はこんな脅迫したくない。 だけど――僕があの人に逆らう事なんて、できない。 「み…さと……?」 だから。 「こんな平和ごっこ、君は好きだったのかい?…期待はずれだったかな。」 「何を――」 僕は、敢て、君を脅迫する。 「『こんな世界、いっそなくなった方がマシだ』。」 「……!」 …それは、智聡くんがかつて呟いた言葉。 僕が初めて聞いた、彼の言葉。 絶望に満ちた――智聡くんの。 半裸で、雨に濡れながら智聡くんは感情の無い瞳で呟いた。 ――それが、このゲームのはじまり。 つまり、彼は主催者の内に入るんだろう。形式としては。 その事を智聡くんも分かっているのか、露骨に反応する。 「その願いが本当なら、」 言いながら、僕は彼の耳元で囁く。 「――殺してしまいなよ。」 「……っ!!」 「今、君は彼らと手を組んでいることになっている。 そして――彼らは今すぐ近くにいる。…奇襲のチャンスならいくらでもある筈。」 「それ、は――……。」 彼は、普段のふざけた顔の僕しか見た事がない為だろうか。 酷く驚きながらも俯く。 ……そして、僕は、裏切ったのだ。 信じてくれようと、心を開こうとしていた子を、 何よりも冷たい『死神』の言葉で。 (嫌われた、だろう。) それは当たり前の報いだ。 ――いまさら言うのも、どうかと思うけれどね、 僕は、冷たく儚い君の事が、ずっと気になっていたんだ。 だから、一緒に行動する機会を通して、仲良くなりたいと願っていたのだけど。 やっぱり……それは叶わぬ願いで。 「……ですか…。」 「…うん……?」 きっと、会ったばかりの頃みたいに罵られると思った。 自分を裏切った、嘘吐きだ、と。 だけど、 「貴方の事を信じちゃ……好きになっちゃいけなかったんですかっ……」 「……え…。」 耳に入ったのは――最も想定していなかった、言葉。 いつも無表情は智聡くんは、ボロボロと涙を流しながら僕を弱弱しく見つめた。 僕は…ここまで感情的になる彼を見るのは初めてで、 「ちさと――」 「どうして……どうして僕が信じた相手はいつも僕を裏切るんですかっ……!?」 「…智聡、くん…。」 「深聡ぉっ……。」 泣き叫ぶなり、彼は僕に抱きついてきた。 「貴方が好きです。」 「……、」 「貴方が好きなんだと気付いたんです。…貴方が、僕の中で一番大きい存在だと。」 「………うん…。」 胸がちくり、と痛んだ。 いつも僕を拒絶していた彼が、こう思っていたなんて思わなかったから、余計に。 「僕は、貴方に認められる為ならば何でもします。」 「………っ」 「誰だって、殺してみせます……。だから……。」 そこまで言うと、智聡くんは顔を上げて、しっかりと僕の顔を見つめて言った。 「お願いです…僕を……すてないで……。」 「……智聡くん……。」 ……嗚呼、そうか。 彼はこんなにも、か弱い人間で。 自分を求めてくれる相手を、心から欲していて。 ……だから、こんなにも僕を依存してくれているんだ。 ――僕は。 「……ごめんね、智聡くん…。」 「……深聡…。」 「酷いこといって、ごめん。」 「……。」 「君の事を護りたいと思ったのは、本当だから……信じて…。」 「…はい……っ。」 泣き続ける彼を抱きしめながら、心の中で静かに誓った。 ――僕は…きっと、君を護ってみせるから。 たとえ、運命に歯向かったとしても。 |
| あとがき みさちさCP成立ですねー……!ようやく相思相愛に。 そして同時に今度はきかちかがヤバイかんじですね! 気をつけろきかちか!!裏切ったらどう〜とか言ってる方が裏切ってるぞ!Σ( ̄□ ̄;(゜д(#○===(゜д゜*)O Back Next |